まさかの合併白紙

白紙撤回


メディセオとアルフレッサの合併が白紙撤回されました。やはり市場において巨大すぎる力はよくないのでしょうか。

◎メディ・パルとアルフレッサ、統合断念へ

メディセオ・パルタックホールディングス(HD)と、アルフレッサHDが今年4月に予定していた経営統合を断念する見通しとなった。9日午後にも発表する。

両社は昨年10月、経営環境の変化に早急に対応することが必要などとして経営統合を発表。その後、財務内容を調査するなど、合併契約書の締結に向けた準備を進めてきたが、昨年12月、「対象範囲が広く、予想以上の時間がかかっている」として、当初12月に予定していた契約締結を1月下旬に延期すると発表していた。

また、両社の市場シェアの高さから、独占禁止法に抵触する可能性もあるとの見方が当初から出ており、メディ・パルHDの熊倉貞武社長は昨年11月の会見で、「公正取引委員会の審査結果待ち」と述べていた。

【じほうMRメールニュース 2009年1月9日号 vol.1572】

まさかの結論


個人的にはあれほどの大きな企業ですから十分に根回しして、確実にいけるとふんだので発表に至ったと思っていましたので、白紙撤回という結論は意外でした。川上の製薬メーカー相手に、企業規模を武器に強引に交渉できる卸というのも見てみたかったので残念です。実は公取委の判断以外に、何か別の思惑があって撤回することになったのかなぁなんて勘繰りたくもなります。

他の卸は…


しかし、最終的に白紙撤回に至ったとはいえ、昨年の両者の合併話が卸業界の再編を促したのは間違いないと思いますので、他の卸にしてみたら迷惑なだけだったのかもしれませんね。

薬局は…


巨大卸が合併すると、その結果として必ず業務の効率化、つまりリストラが待っていると思います。そうなると薬局側としては「卸側の人員整理によって急配体制が弱くなるのでは?」とか、「卸側の在庫効率化によって品薄・欠品が増えるのでは?」といった懸念も考えられます。もちろん、卸の企業規模拡大は薬剤の納入価格にも直接響いてくることも容易に予想されます。

そう思うと、川下にいる我々薬局側としては、今回の合併撤回は、どちらかというといい話だったのではないでしょうか?