後発品の品質問題

メルクメジン事件

 ジェネリックの光と影:/2 効果、安全性に問題の薬も

岸和田徳洲会病院(大阪府岸和田市)は04年12月、クレメジンを後発品である「メルクメジン」に変えた。薬価は1日約540円。患者負担は月に約2000円安くなる。いずれも粉末状の薬だが、メルクメジンの方がかさばらず、飲みやすいのが魅力だった。

 翌年、岡山市で開かれた日本医療薬学会。小西圭子薬剤部長の報告が出席者の注目を集めた。メルクメジンに変えた患者13人のうち9人で、変更前より速いペースで腎不全が進行していたからだ。

 調べた患者数が少なく、変更が原因と断定はできなかったが、病院は05年9月から薬をクレメジンに戻した。戻した患者12人のうち7人は悪化が遅くなった。小西部長は「病院で3割の薬剤を後発品にした。だが、後発品にはよい薬も粗悪品もある。是非を判断するデータが不足している」と嘆く。

 東邦大薬学部の柳川忠二教授も05年、クレメジンとメルクメジンを分析し論文を出した。メルクメジンは毒素の一つ「インドキシル硫酸」の吸着力がクレメジンの4割程度しかなかった。別の毒素の「インドール」でも8割弱だった。

 クレメジンもメルクメジンも直径0・3ミリ強の粒子からなり、その内部に微細な穴がたくさんある。毒素は穴に吸着されると考えられる。穴の容積の合計はクレメジンの方が多かった。国の認可ではこうした構造は審査対象外になっている。柳川教授は論文で「吸着力の差が効果に反映される可能性がある」と指摘している。

 メルクメジンの製造・販売元のマイラン製薬は「尿毒症を起こす毒素7種などで、吸着力がクレメジンと同等との実験結果を国に提出し認可された」と主張し、問題ないとの立場だ。だが、実験した毒素の種類など実験データは公表できないという。


今朝、いつものようにRSSリーダーでニュースを一通りチェックしていたら、上記のニュースが飛び込んできていて驚きました。

うちの薬局でもメルクメジンを調剤している患者さんが数人みえましたが、急遽、採用を中止することにしました。

真相は謎


元々の報告は、もう3年も前のことですが、やはり報道されてしまうとイメージの問題がありますので、健康上どれほどの影響があるのかは別にしても、患者さんに渡すのは気が引けます。

後発品全般に対するネガティブキャンペーンはよく目にしますが、これほどハッキリした商品名を明記した狙い撃ちは珍しいケースではないでしょうか?

徳洲会病院のマイランに対する報復との意見もあるようですが、実際のところどうなのでしょう?

後発品選定の難しさ


今回のケースで、後発品選定の難しさをあらためて実感しました。

後発品導入初期は、国内GEメーカーでも「沢井」「日医工」「大洋」といった大手メーカーにしておけば、ある程度安心と思っていましたが、今回のケースでは「マイラン」という世界的に見ても大規模なメーカーがやり玉に挙がっています。

つまり、メーカーの規模は品質の担保にはならないということでしょうか?

これからは後発品選定に関する薬局の責任がますます重くなりそうです。