抗血栓薬の休薬期間
各薬剤別の休薬期間の目安
誰もが一度は経験しそうなメジャーなネタですが、個人的になかなか覚えられません。
そこで、一度まとめてみます。
一般名 | 主な商品名 | 作用持続時間 | 休薬期間の目安 |
---|---|---|---|
アスピリン | バイアスピリン・バファリン81mg | 約10日間(血小板の寿命) | 10-14日間 |
塩酸チクロピジン | パナルジン | 約10日間(血小板の寿命) | 10-14日間 |
硫酸クロピドグレル | プラビックス | 約10日間(血小板の寿命) | 10-14日間 |
EPA製剤 | エパデール | 約10日間(血小板の寿命) | 10-14日間 |
シロスタゾール | プレタール | 2-3日 | 2-3日間 |
ベラプロストナトリウム | ドルナー・プロサイリン | 8時間程度 | 1-2日間 |
塩酸サルポグレラート | アンプラーグ | 12時間程度 | 1日程度 |
ワルファリンカリウム | ワーファリン | 48-72時間 | 3-5日間 |
リマプロストアルファデクス | オパルモン・プロレナール | 3時間程度 | 1日程度 |
上表はおおよその目安です。
ちなみに、血小板に作用する薬剤(アスピリン・チクロピジン・クロピドグレル・EPA)とワーファリンは不可逆的な作用を示します。
その他に注意すべき薬剤
他にも、下記のような薬剤が出血を伴う処置をする際、注意が必要だと思われますが、これらは全て1-3日程度の休薬期間で十分だと考えられています。
・ ジピリダモール(ペルサンチン)
・ 塩酸ジラゼプ(コメリアンコーワ)
・ トラピジル(ロコルナール)
・ イブジラスト(ケタス)
・ 酒石酸イフェンプロジル(セロクラール)
・ オザグレルナトリウム(カタクロット・キサンボン)
最近の考え方
以前は、抜歯など出血を伴う処置を行う場合は、全て休薬をした方がよいと考えられていましたが、最近は休薬・中止による原疾患の悪化を考慮して、服薬継続下での処置が推奨されているようです。
ただし、抗血栓薬内服中の止血は、通常よりも困難なことに変わりはないので、服薬指導時に「歯医者さんに行く時は、念の為、先生に今日飲んでる薬のことを伝えておいてくださいね」などと一言添えておいた方が無難だと思います。