アマージ錠

半減期が長い


アマージ錠の半減期はおよそ5時間と、トリプタン系の中で最も持続時間が長いです。*1

この半減期が長いという特性によって、効果持続性と再発抑制効果が期待できます。

また、これにより、他のトリプタンと違い、2回目の服用まで4時間以上あけなければならないので、注意が必要です。

副作用が少ない


実際はどうかわかりませんが、臨床試験の段階ではかなり副作用が少なかったようです。*2

トリプタン系に多い中枢系副作用(めまい・立ちくらみ等)や悪心・口渇も少ないようです。

ちなみに、レルパックスマクサルト脂溶性の性質を持つため、副作用が起こりやすいとのことです。

月経関連頭痛に有効


女性の中には、月経前後等の特定の期間のみに片頭痛を感じる“月経関連頭痛”を持っている患者さんもいます。

この“月経関連頭痛”は1日のうちに2,3回と繰り返し症状が起こるのが特徴であるため、半減期の長いアマージ錠が有効です。

逆に、発作的な強い痛みを生じるような場合は、イミグランのような切れのある薬剤の方が有効です。

服用間隔


トリプタン系薬剤で気をつけなければならないことに服用間隔の問題があります。

特に、違う種類のトリプタン系を続けて服用する際は、必ず24時間以上間隔をあけなければなりません。*3

服用のタイミング


もう一つ、トリプタン系薬剤の服用時に注意することに、服用のタイミングの問題があります。

必ず、発作発現時に服用することが重要です。

トリプタン系薬剤は、どれも高額なため、どうしても「もったいないからギリギリまで我慢してから飲もう」と考える患者さんがいますが、服用のタイミングが遅れるほど、効果発現(=痛みがひく)まで余計な時間がかかることになります。

ノンレスポンダー問題


患者さんによって、各トリプタン系薬剤に対するレスポンダー/ノンレスポンダーがあります。*4

このため、ある種のトリプタンが無効でも、他のトリプタンに変更したら有効であったということがよくあります。
しかし、全てのトリプタンに対するノンレスポンダーの患者さんもいるようですので、今後も新薬開発の余地はあるのではないでしょうか。


◆ 関連記事

2008/9/16 頭痛退治読本

*1:これまではレルパックス錠が最も半減期が長いことをウリにしていましたが、今後はアマージ錠が最長です。

*2:プラセボよりも副作用が少なかったらしい。でもそれってプラセボ片頭痛の随伴症状が出てるはずだから、それを副作用と勘違いしてるのでは?

*3:エルゴタミン製剤とトリプタン系との連用時も同様に24時間以上の間隔が必要です。

*4:レスポンダー/ノンレスポンダーは抗ヒスタミン剤でもありますよね。