最近のMRこぼれ話


最近、新規採用品のこともあって、各社のMRがチラホラ来てくれます。
そこで聞いたネタをちょっとメモ。

GSK


ラミクタール錠が発売され、異例の速さで院内プロモーションの許可がおりたそうです。それだけ期待されているようで…。
ここ最近発売されたガバペンやトピナは、どちらかというと疼痛や片頭痛に対する効果の方が有名なようで、純粋な抗てんかん薬としては、このラミクタール錠が久々の大型薬品といえるのかもしれません。

特徴としてはやはり“Lennox-Gastaut症候群における全般発作”に対して適応を有するところでしょうか。難治性のてんかんとして有名なLennox-Gastaut症候群に対する初めての有効な治療薬と言えそうです。チュアブル錠なので小児でも服用しやすい点もポイント高いですね。

注意しなければならないのは、バルプロ酸を併用するときとしないときで、用量設定が大きく変わってくるところでしょうか。気をつけなければいけません。

ファイザー


セララ錠が新規採用になりました。

まだまだファーストチョイスでは使ってもらえなさそうですが、ARBやCCBを処方しても血圧の下がりが悪い患者に追加処方されていきそうです。

併用注意は全てカリウム関係*1で、アルダクトンAは併用禁忌です。

問題になりそうなのは、アルダクトンAからのスイッチで25mgで処方されそうなこと。今回新規採用されたのは50mg錠の一規格のみですので、25mgで処方が来たら半錠にしなければなりません。ところが、セララ錠50mgには割線がついていないそうで…。なんとか50mg処方をメインで使ってもらえるようにMRの方に頑張ってもらいたいですね。

帝人


オルベスコが新規採用になりました。

先日も書きましたが、このオルベスコ、キュバールに負ける点は一つもないとMRも自信満々な感じでした。ただ、やはり重症患者にはアドエアの方が有効なので、軽症患者中心に処方されていくだろうとのことです。

ちなみに帝人の現在のもう一つの柱であるボナロン錠ですが、35mgへの切り替わりが進んでおり、今現在で7:3ぐらいまできているそうです。(もちろん35mg錠が“7”です)

ムコソルバンやワンアルファといった、こまごましたところが次々にジェネリックへ変更されていく中で、この『オルベスコ』と『ボナロン』という2つに賭けている意気込みが伝わってきました。

塩野義


ディフェリンゲルが新規採用になりました。

副作用が多いのはネックですが、ニキビ治療を根本から変えてくれそうな期待もあります。広域病院よりは個人の皮膚科開業医の方が処方頻度が高いかも。

イルベタン錠は苦戦しているようですね。長期処方ができないうえに、従来のARBとの比較するようなポイントもいまいちないようです。これでは来年長期処方が解禁されても伸び悩みそうでしょうね。だいたいARBは多過ぎでしょう。

JUPITER試験のことも聞きました。もっとMRのテンション高いかと思ってましたが意外と冷静でした。たしかに海外での20mg/日という用量設定をどこまで解釈してよいかは難しいところでもあるようです。ただ、試験結果は素晴らしいものだったと思いますし、もちろん医師側の評判も上々とのこと。まだまだリピトール・メバロチンの牙城には届かないようですが、そこに割り込んでくる日も遠くなさそうです。

*1:カリウム血症を起こす可能性のあるものは要注意。