『ビスラットゴールド』は第二の『ナイシトール』になりうるか?

小林製薬の新商品


次々と新商品を繰り出す小林製薬にまた新しい動きがあったようです。

商標権「ビスラットゴールド」取得によるヘルスケア分野強化に関するお知らせ 【小林製薬株式会社】

当社は、このたび石原道郎氏及び石原薬品工業株式会社より「ビスラットゴールド」に関する商標権を取得いたしました。

当社の基幹事業である家庭用品製造販売事業では、近年の生活者の健康志向の高まりを背景として、ヘルスケア分野での市場創造に経営資源を投入してきました。特に平成18年3月に発売したおなかの脂肪の分解・燃焼を促し、肥満症を改善する漢方内服薬『ナイシトール85』は同分野において新しい市場を創出し、その後も引き続き市場拡大に貢献しております。

生活習慣病、未病などが大きく社会現象として取り上げられる状況において、当社は更なるヘルスケア分野への強化を図るため、肥満症改善対処薬として長年にわたり流通から高い支持を得てきた「ビスラットゴールド」の商標権を取得しました。当該商標の女性向け脂肪対策医薬品などへの展開を検討しており、肥満症改善薬市場の更なる開拓が実現できるものと考えております。

これからも当社は、ヘルスケア分野において自社開発と外部資産の導入に経営資源を積極的に投入していき、生活者にとっての“あったらいいな”を追求する製品開発を推進してまいります。


市場も早速、好感触を表しています。

小林製薬(4967)はプラス圏へと浮上 「ビスラットゴールド」の商標権取得が手がかり材料に 【NSJショートライブ】

石原道郎氏、及び石原薬品工業から、肥満症改善対処薬として長年にわたり、流通から高い支持を得てきた「ビスラットゴールド」に関する商標権を取得し、ヘルスケア分野を強化すると発表している。 

小林製薬(4967)の株価は12時50分現在、50円高の3,610円。

ビスラットゴールドって何?


ビスラットゴールドは現在もネットで売られている商品で、

次の疾患における脂質代謝異常の改善
動脈硬化性疾患(脳出血脳軟化症動脈硬化)
冠状動脈硬化性疾患(心筋梗塞狭心症)
糖尿病性高コレステロール血症、本態性高コレステロール血症
肥満症、腎機能障害、肝機能障害

という、このメタボ時代になんとも魅力的な効能効果を有する医薬品です。


気になる有効成分は、次の通りです。

紅花油(リノール酸として):1000mg
酢酸トコフェロール(ビタミンE):20mg
塩酸ピリドキシン(ビタミンB6):2mg

この中でも、特にリノール酸コレステロール中性脂肪を下げる効果があると期待されています。

今さらリノール酸ってどう?


このリノール酸ですが、たしかに体内では合成されない必須脂肪酸であり、コレステロール値を下げるという報告もあるのですが、最近では動脈硬化の増加、アレルギーの重症化など過剰摂取によるリスクも判明しています。必須脂肪酸とはいえ、食事からでも十分に摂取できますので医薬品やサプリメントとして追加摂取すると、この過剰症の心配があります。また最近では、リノール酸の過剰摂取をやめ、バランスよく油分を取るためのα‐リノレン酸の摂取が推奨されているケースも多く見られます。

つまり、ちょっと時代遅れ?


このような古いCMがあるぐらい歴史のある商品なのですが、健康に関するエビデンスは日々変わりますからね。

小林製薬の腕の見せ所


それでも小林製薬ならヒットさせる可能性が大きいと思います。
爆発的ヒット商品になった「ナイシトール」も中身は古くからある防風通聖散ですし、ここ最近でも「ナリピタン」「チクナイン」といった、特に目立った成分の入っていない商品を発売して、そこそこヒットさせていますから。

OTCの場合、見せ方や売り方次第で商品の動きはかなり変わりますし、小林製薬はそこのところの腕がかなりいい。きっと今回もみんなの目を引くCMをやってくるでしょうね。
まぁ何はともあれ新発売の日を楽しみに待ちましょう。