薬物乱用防止指導者会議のまとめ

現役刑事の話


今春から学校薬剤師になるのですが、同時に薬物乱用防止指導者という大仰な肩書も頂きました。今日はその会議(総会?)がありました。基調会議はあんまりでしたが、後半の刑事さんの「薬物に関する事件の検挙状況について」という研修は、普段なかなか耳にすることができない現役の刑事さんの話だけあって面白かったです。その内容をまとめておきます。

昨年一年間の薬物に関する事件の検挙状況について

  • 昨年の検挙数は一昨年と比べて低調に終わった。しかし、これは犯罪が減ったわけではなく、巧妙化され潜在化しているだけなので、油断はできない状況である。
  • 薬物絡みの検挙の内訳のおよそ85%は“覚せい剤”。ニュース等では“大麻”が盛んに取り上げられているが、実際はいまだに“覚せい剤”の占める割合が高い。
  • 薬物絡みの事件でニュース等の報道に出ている情報はごく一部。末端の乱用者から元締めまで追い詰めるために、報道規制を敷いてることが多い。
  • 大麻は吸っても逮捕できない。つまり尿から反応が出てても逮捕することはできない。
  • 「所持」「栽培」しているところを押さえないと逮捕することができない。

大麻取締法の穴


特に最後の大麻の使用では逮捕に至らないというのは、初めて知ったので驚きでした。

ちなみに関係法はこちら。

大麻取締法

  • 輸入・輸出・栽培 … 営利目的:10年以下の懲役又は情状により300万円以下の罰金の併料、 それ以外:7年以下の懲役
  • 所持・譲渡・譲受 … 営利目的:7年以下の懲役又は情状により200万円以下の罰金の併料、 それ以外:5年以下の懲役

よくニュースで大麻を吸って捕まった芸能人なんての見ますが、正確には『吸ってるところを現行犯で押さえられた』のではなく、『所持(又は栽培?)してるところを押さえられた』ってことなんですね。
この知識を生かす場面が今後の人生であるかどうかわかりませんが、一つ勉強になりました。