サンドによるジェネリック医薬品勉強会 〜 主にカソデックス錠のジェネリックについて 〜

久々の勉強会


久々に自分の店でメーカーを呼んで勉強会を実施しました。今回はジェネリックメーカーの「サンド」です。この5月にカソデックス錠のジェネリックである『ビカルタミド錠「サンド」』を発売するとあって、MRさんも気合い満々でした。
以下、勉強会の要点(ビカルタミド錠「サンド」とサンドの特徴)を列挙します。

ビカルタミド錠「サンド」

  • 血中半減期が長いので、通常のクロスオーバー試験ではなく、並行群間比較試験で先発品との品質の違いを調査している。
  • カソデックス錠のジェネリックに関しては現在17社ほどが発売を予定している。既にオダイン錠を持っている日本化薬が結構幅を聞かせてくるのでは?との予想。
  • ビカルタミド錠「サンド」は既に海外30カ国以上での販売実績あり。そのため、大量生産による価格優位性(リーズナブル)があり、また安定供給に関する安心感もある。
  • バルクはインドの工場で生産。
  • 発売は5月15日あたり?5月8日はGWの影響もあり難しいかも?

サンドの優位性

  • 原体を持っていて、バルクから一貫生産できる。ちなみに世界規模で見た場合、バルクを有するジェネリックメーカーはテバ、マイランなどの大手。日本では、大原、陽進堂、ダイトなどごく少数の企業のみ。バルクを持っていると急にラインが止まったりせず、安定供給につながる。
  • ノバルティスグループのジェネリック部門。つまり企業規模で考えても信頼感がある。
  • 世界に100億錠生産体制の工場を5〜6個有する。国内メーカーは20〜30億錠規模の工場が多い。
  • 事務所が少ないから情報が伝わらないと言う医療機関もあるが、一体何の情報が欲しいのか?ネットや電話、FAXなど情報を伝える手段はMR以外にもたくさんあり、「サンド」では自信を持っている。

感想

規模だけならやっぱり海外はかなりデカい


最近のジェネリック医薬品市場は、国内の先発品メーカーがこぞって参入しシェアを拡大しているのが現状です。その理由はジェネリック専門メーカー(沢井、日医工、大洋など)との企業規模の違いとも言われていますが、企業規模だけで比べれば、海外のジェネリックメーカーは桁違いに大きいです。知名度(先入観?)や情報供給の面で、どうも後手に回っている感じがしますが、もう一度検討する必要があると思いました。

バルクの有無は安定供給の指標になる


また、このような海外の大規模ジェネリックメーカーの強みは、原薬(バルク)を持っていることも大きいです。前回のエパデールSのジェネリックの発売時、今回はムコスタ錠のジェネリック発売時と、国内メーカーでは1〜2社しか原薬を生産していないため、そこのラインが止まったら、5〜6社の販売元全てが一斉に供給不能に陥るといった脆さがあります。この点、バルクから一貫生産している大規模海外メーカーは安定供給の面で非常に優れているといえるでしょう。