平成20年度調剤報酬改定について <追加次項>

今回の調剤報酬改定のポイント

 1.後発医薬品の使用促進
 2.休日・夜間対応の強化
 3.在宅医療・高齢者医療への対応強化
特に,1 の後発医薬品の使用促進に関しては,厚労省も相当の危機感を持って臨んでいる。
2年前の改定に続き,今回の改訂でも後発医薬品の使用が促進しなければ,全ての処方を院内に戻して医師側の診療報酬から縛りをかける(例えば,必ず後発品を処方すること等)ことも考えている。
薬担にも “ 後発医薬品に関する説明 ” は義務とされた。
( “ 後発医薬品の使用 ” に関しては努力義務とされている )

後発医薬品調剤体制加算について

現行の 『 処方せんベース 』 での基準設定は2年後に撤廃され,新たに 『 数量ベース 』 の基準設定になるのではないかと言われている。

現行

処方せん枚数ベース = 後発医薬品を含む処方せん枚数 / 一ヶ月の処方せん枚数
 ※ 現行の設定基準は30%

2年後の予想

数量ベース = 実際使用した後発医薬品の数量(金額?) / 一ヶ月の医薬品使用量
 ※ 設定基準が何%になるかは不明。

また,上記の “ 数量 ” が “ 品目 ” になるかもしれないとも言われている。

後発医薬品の品質問題について

後発医薬品の品質については,厚労省が責任を持って担保しており,何らかの有害事象が起こっても薬局側に責任がいくことはない。

医薬品の剤型変更について

OD錠から通常の錠剤への剤型変更等は,今後も認められないものと考えられる。
これは医師の処方権の問題でもあり,また,現状,海外でもこのような剤型変更を認めているのはイギリスぐらいである。

後発医薬品のお試し分割調剤について

後発医薬品のお試し分割調剤の場合でも,処方せんは一度患者の手元に必ず返してください。

夜間・休日加算について

厚労省社会保険庁側の言い分としては,取っても取らなくてもどちらでもよい,との位置付けだが,薬剤師会としては,必ず算定していくというスタンスは今後も変わらない。
冒頭でも挙げたように,夜間・休日の対応強化は今改定の柱でもある。
その対応強化に見合ったフィーを付けてもらえたのに,算定しなかったら 「 この加算は不要だった 」という結論に至り,最悪の場合,2年後の改定で取り消されかねない。
この夜間・休日加算は,従来の時間外加算と異なり,レセプトに受付時間を記載する必要もないため,比較的簡単に算定出来るので可能な限り算定して欲しい。

 ※ レセプト上は受付時間の記載は不要だが,薬歴簿上には,受付時間の記載を残すこと。

外来服薬支援料について

処方せん調剤によるレセプトと別で,外来服薬支援料単独のレセプトを発行する必要がある。

生活保護対象者への後発医薬品調剤

積極的に声掛けを行い,後発医薬品を使用すること。
医師・薬剤師が後発医薬品の使用を推奨しているのにも係わらず,特段の理由もなく,後発医薬品を拒む生活保護対象者には,個別で口頭指導が入ることもある。

新しい公費の追加

石綿による健康被害の救済に関する法律による医療費の支給 (法第4条関係) : 法別番号66 』及び,『 中国残留邦人等の円滑な帰国の促進及び永住帰国後の自立の支援に関する法律第14条第4項に規定する医療支援給付 (中国残留邦人等の円滑な帰国の促進及び永住帰国後の自立の支援に関する法律の一部を改正する法律附則第4条第2項において準用する場合を含む) : 法別番号25 』 という2つの公費が新たに加わった。

 ※ 現行の公費については,次の一覧表を参照。