フルーツジュースの相互作用

最新の知見

グレープフルーツジュースとCa拮抗薬の相互作用を発見した研究者が、また新たな発見をしたそうです。

フルーツジュースを飲むと薬の効果が劇的に弱くなる【GIGAZINE】

研究によると、オレンジ、りんごおよびグレープフルーツのジュースは、いくつかの抗生物質およびアレルギー性鼻炎の薬の効果を帳消しにすることができるとのこと。どうやらジュースを飲むことによって、薬の成分が血液内に入ることを防いでしまい、役に立たなくしてしまうらしい。

研究者であるデービッド・ベイリー教授によると、この事実はまだ氷山の一角であり、このような影響のある薬がさらに多く発見されるだろうとしています。ベイリー教授は20年前にもグレープフルーツジュースが血圧薬felodipineの影響を危険なレベルまで拡大することを発見しています。

そして最新の研究結果によると、フルーツジュースが薬のパワーをさらに縮小することができることを示しており、薬のどのような良い効果であっても止めてしまう潜在的可能性があるとのこと。

グレープフルーツ、オレンジおよびリンゴジュースによって弱められると示された薬は、血圧を低下するベータ・ブロッカー atenolol、セリプロロールおよびtalinololを含んでいるもの。また、花粉症治療に使われるfexofenadineも含まれているとのこと。さらに、多目的抗生物質シプロフロキサシンや制癌剤etoposideも影響を受けるとのことです。

ではジュースを飲んだらもう終わりなのかというとそうではなく、ジュースが薬の効果を妨害するのは飲んでから2時間以内で、4時間が経過した段階ではジュースによる妨害はなかったとのこと。そのため、十分な時間の間隔を開けた上でジュースを飲む必要があるそうです。

具体例

一般名とともに先発品名を列挙してみます。

・ アテノロール (テノーミン)
・ 塩酸セリプロロール (セレクトール)
・ 塩酸フェキソフェナジン (アレグラ)
・ 塩酸シプロフロキサシン (シプロキサン)
・ エトポシド (ベプシド、ラステット)

注意しないといけない点

グレープフルーツジュースと言えば、脊髄反射的に“効果増強”が思い浮かんでしまいますが、今回の結果は逆に効果減弱するとのことです。

同じグレープフルーツジュースと降圧剤という組み合わせなのにややこしいですね。


どのような場合でも同様の結果が出るかはわかりませんので、いたずらに患者さんを不安にさせるような服薬指導はいけませんが、念のため知っておくべきでしょう。

この頃は、患者さんの方がこういう健康ニュースには詳しかったりしますから…。