ルナベル錠

保険が使える低用量ピル

ルナベルは、『子宮内膜症に伴う月経困難症』の適応を取得した日本で初めての治療用低用量ピルです。

成分的には、オーソMと同成分ですが、保険が利く点が違います。

通常、これまでの低用量ピルのように薬が自費であれば、治療全てが自費扱いになります。(混合診療になっていますため)
そうなると、薬以外の諸検査まで全て自費扱いとなってしまい、患者負担がかなり大きくなります。

従来はこのような問題を回避するために、医師がカルテ上で上手く処理して問題になることはありませんでしたが、今後はルナベルの登場により、検査から投薬まで一連の治療が保険の中で行なわれるというメリットがあります。

また、これまでの低用量ピルで禁忌であった子宮筋腫併発患者に対して、禁忌ではなく、慎重投与になっているのも特徴の一つみたいです。

投与制限の延長

新薬なので通常、発売後1年間は14日間の投与制限がありますが、ルナベルに関しては、製品上の特性を考慮して、例外的に30日分までの投与が認められています。

副作用

副作用としては、不正出血が最も多いようですが、服用を継続していく中で徐々に減っていくそうです。

不正出血を起こした際の対処としては「出血をしていても服用を続ける」というのが一般的なようです。
しかし、医師によって考え方が違うので、患者さんから相談を受けたときは、受診を勧めるのがよいと思われます。

偽薬を含める?

低用量ピルというと、これまで『7日間休薬タイプ:21日間服用+7日間休薬』と『連日服用タイプ:21日間服用+7日間偽薬服用』の2通りがありましたが、ルナベルは前者の7日間休薬タイプです。

これは連日服用タイプにあるような「偽薬」が、保険医薬品として認められないからみたいです。*1

しかし、現場の医師からは連日服用タイプの要望も根強いようです。
やはり、偽薬を挟んでも連日服用タイプの方がコンプライアンスが良好なのでしょうね。

子宮内膜症

最近、持田製薬ディナゲスト錠の販促に力を入れている様子で、ホームページ上に子宮内膜症専門のページを開設していました。

 → 持田製薬【子宮内膜症】痛み、1人で悩んでいませんか?


女性特有で、これまであまり注目されていなかった(話題にするのが恥ずかしい?)疾患ですので、このように世間の認知率が向上し、受診につながることは良いことだと思います。

*1:プラセボに保険を使うのもおかしな話しですからね。