ニコチンパッチ

数字の意味


ニコチネルTTSの最後に付いている“30”や“20”といった数字は、パッチの面積を表すもので、ニコチン量ではありませんが、誤解されている方も多いようです。

また、パッチに含有されたニコチンの全てが吸収されるわけではなく、体内に入るのはおよそ40%です。

これらを踏まえた上で、ニコチネルTTSを表にまとめてみると、下記のようになります。

商品名 TTS30 TTS20 TTS10
ニコチン含有量 52.5mg 35mg 17.5mg
ニコチン放出量 21mg 14mg 7mg

OTC3商品の比較


OTCのニコチンパッチは現在、『ニコチネルパッチ』『シガノンCQ』『二コレットパッチ』の3商品が販売されていますが、圧倒的に『ニコチネルパッチ』が売れているようです。*1

これは、これまでニコチネルTTSとして長年販売実績を残してきたことによるネームバリューの差だと思われます。
つまり、ニコチネル=先発品、シガノンニコレット=後発品といった感じでしょうか。

また、その他の特徴としては、ニコレットのみ3ステップで、形状も四角形であることが挙げられます。

貼付について


パッチ使用上の注意として貼付部位と貼付時間があります。

まず、貼付部位ですが、上腕や腰への貼付は、どの商品でも可能ですが、腹部はニコチネルのみ、胸部はシガノンのみとなっています。

商品名 上腕
ニコチネル ×
コレット × ×
ガノン ×

コレット臨床試験を行った際に、腹部の吸収データが悪かったため、正式な貼付部位として認められなかったそうです。*2

次に貼付時間ですが、これはどの商品も起床時から眠前までと決められています。

医療用のニコチネルTTSの場合は、24時間連続貼付が基本だったのですが、OTC化に伴い、安全性を重視した結果、全ての商品について寝る前に剥がすことで統一されたようです。

患者さん・お客さんへは声掛けが大事


禁煙療法では、薬剤を渡してそれっきりではなく、こまめに様子を聞いたり、励ましたりすることで、成功率がアップすることが知られています。
薬局でも、ニコチンパッチを販売したお客さんを覚えておいて、こまめに声を掛けることで、お客さんとの信頼関係の向上と禁煙成功率の上昇という一石二鳥の効果が期待できます。

また、これから禁煙を始めたいと思っている患者さんにも積極的な声掛けが重要です。

特にサプリメントコーナーを見てるお客さんなどは、明らかに健康志向が強いので、禁煙を勧めるとよいかもしれません。

お客さんに声を掛けるときは、「たばこを吸ってるとガンになりますよ」というようなネガティブな意見よりも、「タバコをやめると料理が美味しくなりますよ」「お金が貯まりますよ」といったポジティブな意見を言う方がよいでしょう。

今後の展開


来月には、ニコチネルブランドからニコチンガム「ニコチネルミント」が発売されるそうです。

パッチでは圧倒的なシェアを獲得したようですが、「二コレット」が一人勝ちしているガムの方ではどうなるんでしょうね。

ネット上では、他にもたくさんのニコチン代替療法薬があるようです。

これらのうち、どれが今後店頭にも並ぶようになるのでしょうか。

*1:ニコチネル:シガノン:二コレット=20:1:1ぐらい。

*2:偶然、臨床試験に参加して腹部に貼付した患者さんが吸収の悪い体質の方だったとか…。運が悪かったようです。