読書週間 ( 医療編 - 前編 - )

現在の医療について考える


読書週間ですので、個人的に今まで読んで面白かった本を紹介します。

今日は医療について。

薬剤師も医療従事者の一員であるので、いつも“薬”というミクロの視点ばかりでなく、たまには“医療”というマクロな視点で考えてみると新たな発見があるものです。

日本の医療が抱える問題


医療の限界 (新潮新書)

医療の限界 (新潮新書)

誰が日本の医療を殺すのか―「医療崩壊」の知られざる真実 (新書y)

誰が日本の医療を殺すのか―「医療崩壊」の知られざる真実 (新書y)


小松秀樹はちょっと堅すぎる感じもしますが、一読の価値は十分にあります。
医療崩壊 -立ち去り型サボタージュとは何か- 』の方が内容が濃いような気もしますが、気合を入れないと読めないオーラがありますので、文庫本の『 医療の限界 』の方がオススメです。『 誰が日本の医療を殺すのか 』はデータなども豊富で、文章も読みやすいです。

医療崩壊というと産科小児科だけの問題ばかりがクローズアップされがちですが、日本の医療という観点から考えて、本当にギリギリまできてると思います。医師に比べて薬剤師は、そのあたりの危機意識が希薄な感じがしますけどね。


医療崩壊―「立ち去り型サボタージュ」とは何か

医療崩壊―「立ち去り型サボタージュ」とは何か

薬剤師はこれ必読でしょ


新薬、ください!―ドラッグラグと命の狭間で

新薬、ください!―ドラッグラグと命の狭間で


医療全体はテーマが大きすぎてわからないよーという方にはこちらがオススメ。薬という面から、現在の日本の医療が抱える問題点を指摘した本です。ドラッグラグという言葉は知ってるけど、詳しくはわからないという方は読んでおきましょう。
ニュースなどで取り上げられても、絶対的に表現する時間が足りないと思うんですね。ニュース番組の10分や20分のワンコーナーに編集できるような話ではなく、現状がいかなるものか、薬剤師は知る義務があると思います。

薬といえばコレも必須


世界で一番売れている薬

世界で一番売れている薬


先日ラスカー賞を受賞された遠藤博士のスタチンの開発物語。
ひとつの画期的な新薬の完成に至るまでには、当然ながら色々な困難があり、普段、調剤室で何気なくピッキングしてる薬にそんな背景があったなんて思うと、世界が変わりますよ。薬剤師としての視野が広がる一冊。