読書週間 ( 医療編 - 後編 - )

より身近な問題


読書週間(医療編-前編-)では、主に医療制度の問題を取り上げましたが、今回の後編では、より身近な問題にもスポットを当ててみたいと思います。それは“ニセ科学”と“過誤・事故”です。

ニセ科学


メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学 (光文社新書)

メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学 (光文社新書)


今でこそ怪しい(?)健康番組が減ってきているとはいえ、ドラッグストアで働いているものとしては怪しい健康情報の真贋を見分け、接客する技術が不可欠です。普段、私達がいかにメディアにふりまわされているか、少し考えれば誰しも思い当たることがあるでしょう。ただの芸能情報などならそれでもいいのですが、健康情報となると生半可な知識は逆に危険な面もあるのです。

大学などでは教えてくれない怪しい情報との付き合い方がわかります。


医学は科学ではない (ちくま新書)

医学は科学ではない (ちくま新書)


では、健康食品などは全て怪しくて、医師の処方する薬や医師の行う処置は全て科学的根拠に基づいて完璧なのかと言えば、実際は、そうではないようです。つまり、医療自体が不確かなものであるのです。

EBMという言葉が生まれ、そして浸透し、それが当たり前になってきましたが、医学全てを科学的に考えることができるというのは、実は間違った考えなのかもしれません。


過誤・事故について考えてみる


明香ちゃんの心臓 <検証>東京女子医大病院事件

明香ちゃんの心臓 <検証>東京女子医大病院事件

東京女子医大の事件に関する本です。福島県立大野病院の事故などともよく話題に挙がる医療事故です。家族、特にこどもがいる方なら自分の立場に置き換えて考えると身が引き裂かれる思いがします。


リピーター医師 なぜミスを繰り返すのか? (光文社新書)

リピーター医師 なぜミスを繰り返すのか? (光文社新書)

リピーター薬剤師という言葉は聞きませんが、思い当たる人が近くにいませんか?

医師の場合では、産科のリスクが特によく取り上げられていますが、薬剤師には診療科など関係ないですよね。いつ、どの処方で大きな過誤や事故を起こすことになるかわかりません。今の自分の仕事、医療にかかわる仕事がどれほどリスクの高いものなのか、もう一度考えてみましょう。給料が高いのは人手不足だけが原因ではありません。人命にかかわるリスクの高い仕事に対しての高給という側面もあると思うのです。