東海学会に行ってきたよ(前編)
学会の資料をアップします
12月7日(日)に愛知健康プラザで行われた第41回東海薬剤師学術大会に参加してきましたので、そこで見聞きしたことをまとめます。今日はランチョンセミナーです。
はじめてのランチョンセミナー
実は私、ランチョンセミナーにでるの初めてなんです。タメになる話を聞きながら、お弁当もいただけるなんて、ホントうれしい限りですね。
私が参加したセミナーは、金沢大学付属病院臨床試験管理センター准教授 古川裕之先生による『報道事例から学ぶ医薬品使用時の安全管理に必要な新しい視点』です。めちゃめちゃ話の面白い先生で、50分があっという間に感じました。
セミナーの要点
- 人は誰でも間違えるものであって、仕事をしている限りエラーからは逃れられない。当然、気合いだけでどうにかなる問題ではない。
これはある意味仕方がないことであり、その中で、生命の危険に関わるような重大なミスをいかに減らしていくかが重要。
- マスコミは過誤や事故の記事を書くときに、必ず「医薬品名(商品名)」と「投与量」を記載すべき。そこから防止策が生まれる。
- 採用薬の変更で必ずミスがなくなるわけではない。周知徹底が重要。
『ノルバスク』と『ノルバデックス』の間違いを防ぐために、『ノルバスク』を『アムロジン』に採用変更したが、その途端、内科から『ノルバデックス』の処方が急増したことがある。これは、内科での採用品変更の案内が周知されていなかったためで、医師が「ノルバ」まで検索して、そのままの勢いで『ノルバデックス』を選択してしまっていたためである。
- 冬ソナ現象。
『韓国』『ヨン』と聞いてすぐに『冬のソナタ』が思い浮かんでしまうこと。知識があるから思い込みが発生する。『冬のソナタ』を知らない人なら、すぐに思いこんだりせず、もっと注意深く聞くはず。
- あなたの常識は私の常識ではない。
「ミリ」というと、医師の常識では「ミリグラム」、看護師の常識では「ミリリットル」このような個人的な常識からくる思い込みが、ミスを招く。
- 『好ましくない副作用(アレルギーなど)』は厳密には『エラー』ではない。
しかし、患者にとっては同じこと。このようなことを防ぐためには、副作用の初期症状をしっかりと伝達すること。エラーを発見するのが一番多いのは患者である。この患者をいかにパートナーとして活かすかがポイント。
- 求められることは時代とともに変わっていく。
これからのリスク管理はエラーを防ぐことだけではない。犯罪抑止も重要な一つのテーマ。薬剤を用いた犯罪のほとんどは『麻酔薬』『睡眠薬』『筋弛緩剤』が絡んでいる。これらの管理には細心の注意をする。*2