治療をためらうあなたは案外正しい
EBMとは何か?
最近読んだ医療系の本の中で、当たりだった本です。
- 作者: 名郷直樹
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2008/10/23
- メディア: 単行本
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EBMの使い方
EBMの5つのステップ
1.患者さんの問題を明らかにする。
2.問題について情報収集する。
3.情報を批判的に吟味する。
4.情報を患者さんに適応する。
5.以上のプロセスを評価、反省して次回につなげる。(P.255)
EBMという言葉は大学でも習いましたが、結局それはEBMという単語を覚えただけのような気もします。*1上記の5つのステップは著者があとがきに書いたものですが、本書の中では具体例を提示して、何度も繰り返し説明してくれています。まだまだ治療方針の決定に深く係わることの少ない薬剤師ですが、このような考え方は非常に大切だと思います。
気になった点のメモ
- 高血圧の薬を飲むのは「血圧を下げるため」ではなく、「脳卒中やその他の合併症を予防し、元気に生きるため」である。つまり、EBMで根拠を示すときに、単に「血圧が下がるという根拠」だけでは足りない。「脳卒中が減るという根拠」までたどり着いて、初めて治療の根拠が明確になる。
- 「薬を飲むとどうなるか」と同じぐらい、「放っておくとどうなるか」も検討するべき。薬の効果は使う数字によって印象がかなり変わるので、それに惑わされないこと。(フレーミング効果と同じ)
- 統計情報の平均的な患者と、自分とのギャップを理解する。エビデンスをそのまま鵜呑みにしない。
- 治療に当たっては、副作用や医療費のことも考慮する。
その他、最近読んだ本
ついでに最近読んだ他の本もメモっておきます。薬と関係ないですが…。
- 作者: 速水健朗
- 出版社/メーカー: 原書房
- 発売日: 2008/06/09
- メディア: 単行本
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- 作者: 渡辺明
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2007/11/01
- メディア: 新書
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- 作者: 伊坂幸太郎
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2005/06/28
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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- 作者: 道尾秀介
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/11
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*1:最近は薬学部6年制になって、もっと高度な学習をしてるのかもしれませんね。