薬事法が改正されて第一類医薬品とかを調剤室で販売・管理するようになって思ふこと。

流れはスムーズ


5月下旬頃に心配していた業務の流れが滞るようなトラブルは今のところ特に感じない。ある程度準備をして臨んだとはいえ、出来過ぎなぐらいだと思う。販売に関する問題もなく、発注・在庫管理についても順調だ。
調剤が忙しい時などは、販売に至るまでの補助的な役割を医療事務に手伝ってもらっているが、こちらからも不満は出ていない。もちろん、OTCのお客さん、調剤の患者さんからのクレームもない。

予想外だったこと

これまでならレジで一度に清算できていたものが、薬事法改正により、第一類医薬品のみ調剤室で薬剤師から手渡されなければならない。このことに対するクレームが当初最も怖かったし、最もありえると想定してたのだが、予想以上にみなさん優しく、不平不満を言わずに調剤室まで来てくれる。
これはホント予想外だったし、ホントにありがたいことだ。

意思亡き販売


現在、第一類医薬品のみを調剤室で管理しており、空箱を持ってきたお客さんに説明して商品を渡しているのだが、なんか違和感を感じてて、最近その原因がわかった。


そこに薬剤師の意思がないのだ。


これまでのOTCの接客であれば、OTCの棚の前であれやこれやとお客さんから症状を聞き出し、あれやこれやと商品を説明し、最終的にそのお客さんに合うOTCを販売していた。例えば、ウィンダムを買おうかと迷っているお客さんに対して痒みの有無を聞き出し、ラミシールプラスを勧めたりしていたものだ。

しかし、今はどうだろう。

お客さんが持ってきた第一類医薬品の空箱を受け取って、その商品を渡すだけ。もちろん、その商品についての説明はするのだが、その他の商品との比較説明が圧倒的に少なくなっている。もちろんプラスワンの販売もない。
これは非常に恐ろしい事態だ。

薬剤師のあるべき姿


これではまるで薬剤師は『第一類医薬品販売マシーン』ではないか。
恐ろしい。
第二・三類医薬品の販売は登録販売者に、調剤と第一類医薬品の販売は薬剤師に、と効率の良い棲み分けを考えるあまりに、お客さんの存在を軽視していた気がする。
薬剤師は第一類医薬品を持って調剤室でどっしり待っているだけでなく、全てのOTCや医療雑品等を駆使して、お客さんの健康に寄与するべき存在なのに。薬事法改正というドタバタの中で大事な何かを、とても大事な何かを忘れてしまっていた。

もう一度初心に帰って薬剤師のやるべきことをする。
そこには薬事法改正の影響とか、OTCのリスク分類とかは関係ない。目の前のお客さんしかないはずだ。