認定実務実習指導薬剤師養成講習会

今どきの学生像

今どきの医療職学生は自分のことを 「まだまだ大人だと思っていない」 と思っているものが多数を占める。
ただし、教える側のものがそこに合わせることはなく、必要に応じて学生を大人として扱っていくことも大事である。

 例 : 授業の進行を学生に任せる 等

Taxonomy

Taxonomy (教育目標分類) は、Knowing (認知領域:入力システム)、 Feeling (情意領域:変換システム)、 Doing (精神運動領域:出力システム) の3領域に分類される。
指導者は、学生がどの領域で詰まっているのかを理解しておかなければならない。

 例 : 『患者さんに挨拶しない』という事象に対しては、以下のように領域別の問題点が挙げられる。
      ・ 認知領域の段階 … 患者さんに挨拶しなければならないことを知らない。
      ・ 情意領域の段階 … なぜ患者さんに挨拶しなければならないか理解できない。
      ・ 精神運動領域の段階 … 患者さんに挨拶することができない。

技能と態度

技能とは何度も練習を繰り返して、やっとできるようになるもの。ただし、行なうか行なわないかは本人の自由となる。

態度とは何回も練習しないとできるようにならないというほど難しいものではないが、心構えや習慣づけがないと行動にならないもの。つまり、行動自体は難しくなく、行なうこと自体が重要となる。

学習者を動機づけるARCS

A : Attention  面白そうだ
R : Relevance  役立ちそうだ
C : Confidence  やればできる
S : Satisfaction  やって良かった

フィードバックの重要性

指導者にとって当然のこと → 学習者にとっても当然のこととは限らない
指導者にとって慣れていること → 学習者にとっても慣れていることとは限らない





上図は何?




→ 答 : LIFE



つまり、指導者にとってはよく見えていること → 学習者にとってもよく見えているとは限らない

フィードバック技法

1. 学習者に対して敬意のある雰囲気で、学習者が受け入れやすいときに行なう。
2. 学習者と指導者とで共有している目標に基づいている。
3. 学習者の行動の背後にある思考・感情・自己評価なども確認する。
4. 行動に焦点を当て人格や人間性に言及することを避ける。
5. 数多くのフィードバックを一度に行なわない。
6. 指導者がどう感じたかを伝えることも重要である。*1

*1:「あなたは仕事が速いね」というような"You"messageよりも、「あなたは仕事が速いから私は助かるわ」といった"I"message の方が相手に伝わりやすい。