チャート・図解のすごい技

プレゼン資料作成の技術

先日に引き続き、プレゼンのネタを…。

社内発表会や社外学会発表も、恒例となってきましたが、一昔前では、このような発表の場などなかったのですから、とてもいい傾向だと思います。

口頭発表、ポスター発表問わず、エクセルやパワーポイントなどを駆使して資料を作成するのですが、まだまだ未熟な点も多く、改善の余地があるともいえます。
このようなときに役立つ技術は、今後発表の機会が増えるにつれて、ますます重要になっていくと思いますので、早い段階でしっかり学んでおきたいものです。

円グラフのポイント

円グラフのポイントは“数量”ではなく、“割合”を表すのに適しています。

調剤室内での1日の業務状況を例にしてみました。


【円グラフ-1】では、各作業時間(hr.)が記入されていますが、こうなると、どうしても各作業時間の合計時間などが気になります。
合計で7.5時間しかないのはおかしいのでは?など気になる方もみえるでしょう。
これはパート薬剤師の方も含めた平均作業時間なので、全て合計しても8時間にはならないのですと説明しても、既に、その時点で、本題からは脱線してしまっています。


【円グラフ-2】では、各作業時間の割合(%)が記入されています。
円グラフでは、このように全て合計して100%となるような、割合で表すのが最も効果的な使い方です。


ちなみに、【円グラフ-3】のように3D効果を使うと、手間の要素が実際以上に大きく感じられて、誤った認識を与えてしまう可能性があるので、おすすめできません。

棒グラフのポイント

棒グラフのポイントは“先入観”です。

人は通常、XY軸をもつグラフ面を見たときに、X軸(横軸)を時間、Y軸(縦軸)を増加と認識します。



【棒グラフ-1】は、4店舗の処方せん枚数の比較ですが、これでは、X軸に処方せん枚数がきてしまっています。
認識できないこともないですが、先入観を大事にするなら、増加を表す縦軸に処方せん枚数を持ってくると、伸びていく感じが得られるのではないでしょうか。


対照的に、【棒グラフ-2】では、調剤室内での各作業時間を、時間を表すX軸で表しているため、違和感なく見ることができます。


また、棒グラフも円グラフと同じように3D効果を使うとわかりにくくなることが多くあります。
【棒グラフ-3】では、上面が傾斜しているように見えるため、実際の高さよりも高く見えてしまう錯覚に陥りがちです。


その他、棒グラフの先入観を表した例が【棒グラフ-4】と【棒グラフ-5】です。
どちらも、ある店の月別の処方せん枚数を表しているのですが、X軸(時間)、Y軸(増加)の法則で考えると、【棒グラフ-4】の方がしっくりくることが理解できると思います。

資料作成は奥が深い

この場では、比較的わかりやすい「円グラフ」と「棒グラフ」の2種類を例としてあげましたが、本書にはその他にも注意すべき点が、数多く載っています。
しかし、文章や内容はとても平易で、初心者でもサラッと読める良書です。

ポスター発表などで、グラフを利用した資料を作成する予定があるなら、一度読んでおくことをおすすめします。

プレゼン・企画書の説得力がアップする チャート・図解のすごい技

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ちなみに、口頭発表に関しては、こちらの本が非常によくまとまっていて、オススメです。

理系のための口頭発表術―聴衆を魅了する20の原則 (ブルーバックス)

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