薬事法改正に伴うOTC販売への影響

そろそろ本格的に準備しなくちゃ!

6月1日に一部改正される薬事法ですが、確実に決まっている部分が少なく、どうも曖昧なようです。うちの薬剤師会からも代表の先生が日薬の会議に出席しているのですが、まだハッキリしないとのこと。なかなか気を持たせてくれます。
そんな状況ですが、現時点で「これは確実だろう」と思われる点について聞いてきました。

6月1日以降、気をつけるべき点

  • 第一類医薬品については、書面を用いた情報提供を行う。
  • 第二類医薬品については、必要な情報提供を行う。
  • 情報提供場所の設置。
    • 構造設備規則の要件については3年間の経過措置あり。
  • 全ての医薬品についての相談応需。
  • 第一類・第二類・第三類医薬品の区分陳列。
  • 薬局医薬品は陳列不可。
    • ただし、薬局製剤の掲示や空き箱の活用は可能?
  • 第一類医薬品については、消費者が触れられない場所に陳列。指定第二類医薬品については、情報提供場所から7m以内の範囲又は消費者が触れられない場所に陳列。
    • こちらも構造設備規則の要件なので、3年間の経過措置あり。
    • もし現状の売り場で、どうしてもこの“7mルール”が守れなさそうなら、情報提供設備を2箇所にすることも考慮しなければならないかも。
  • 一般用医薬品や第一類医薬品を販売しない時間帯においては、陳列する場所を閉鎖する。
  • 名札の着用。
  • 実務に従事したこと及び業務経験の証明。
  • 第三類医薬品以外の医薬品の郵便等による販売の禁止。
    • いわゆるネット販売の規制がこれにあたる。しかし、いまだ議論中であるので、確実な結論が出たわけではない。

リスク分類についてのおさらい

リスク分類のポイントは『量』ではなく『成分』です。例えば、便秘薬を例にとると、「センナ」が含まれている時点で、それがどんなに微量でも「指定第二類」という区分になります。このあたりが曖昧になっているといけませんので、よく理解しておきましょう。

掲示物が大量に…

上記のポイント以外に、必要な掲示物が一気に増えることも予想されます。例えば、「リスク分類の各区分の定義や解説」、「一般用医薬品の陳列に関する解説」、「副作用救済制度の解説」などなど…。
特に副作用救済制度に関する掲示物は、OTCを全く取り扱っていない調剤薬局でも必要になってくるそうなので、気をつけた方がよいでしょう。*1
このように掲示物が大量発生しそうで、ちょっと小さめの薬局の先生等は、「ポスター貼るとこないよ〜」と嘆いていました。薬剤師会としては案として、最近流行のデジタルフォトフレームを利用した掲示物はどうかと提案してみるようです。デジタルフォトフレームならスペースをとらずに、それでいて、数分おきに掲示内容を更新していくことも可能です。ただ、正式に認められるかは怪しいところですが…。

消費者の目は厳しいかも

6月1日以降は、HCやGMSがOTC市場に新規参入してくることは必至です。その際、新規参入組はきっとかなりキッチリしたキレイな売り場を作成してくると思われます。また同時にマスコミの報道もある程度は予想されます。
そのような中で、経過措置という猶予期間があるとはいえ、薬局・ドラッグストアが、情報提供設備を作っていなかったり、リスク分類に応じた区分陳列をちゃんとしていなかったりすると、消費者からは厳しい目で見られることになるかもしれません。あまり猶予期間の上に胡坐をかかず、6月1日までにシッカリした売り場を作成する必要がありそうです。

*1:お上いわく副作用救済制度への申請が明らかに少ないとのこと。薬局からもっと情報発信せよってことです。