レミッチ情報をざっくりまとめてみました

鳥居薬品のレミッチ

鳥居薬品さんにレミッチの勉強会をしてもらったので、個人的メモ。

透析の現状

  • 現在、透析人口は10000人/年のペースで増加中。
  • 1998〜99年頃に糖尿病性腎症が透析導入の原因第1位になった。
  • 透析患者の生存率を見ると横ばいで伸びていないように感じるが、近年、糖尿病性の合併症が多い中で、生存率が落ちないで維持できているのは、逆に評価に値する。
  • ちなみに平均余命は一般健常者の約半分。

透析患者と痒み

  • 透析患者の3/4は痒みを感じている。また、そのうちの1/2は痒みによる睡眠障害を伴っている。
  • 痒みは冬場や夜間に特にひどくなる傾向がある。
  • 透析患者における既存治療に抵抗性のある痒みの発生原因は次の3つの説が考えられている。
    • ヒスタミン以外のケミカルメディエーターの関与(サブスタンスPやTNF‐αなどのサイトカイン)
    • 内因性オピオイドの関与
    • 神経線維の表皮内伸長

内因性オピオイド

  • μ受容体…痒み誘発(β‐エンドルフィン)
  • κ受容体…痒み抑制(ダイルノルフィン)

レミッチの薬物動態

  • 吸収…食事の影響なし
  • 代謝…肝代謝
  • 透析膜で約50%が除去される。そのため透析までおよそ8時間ほどあけるのが理想的。可能であれば透析後に投与するのがベスト。

調剤・投薬時のポイント

  • 吸湿性が非常に高いため、一包化不可。(1日でベトベトになることも…)
  • 副作用は不眠が一番多いが、徐々に慣れていく。ただし、患者の気持ちの問題でもあるので、患者用冊子にはあえて不眠のことは載せていない。
  • 用法は、透析後であることを考えて『夕食後または就寝前』としているが、不眠の副作用も考慮すると『夕食後』である方が望ましい。
  • その他の副作用としては便秘もある。透析患者はもともと便秘気味だが、それをさらに悪化させることがある。
  • 基本的には現在服用中の抗アレルギー剤に追加する。保険適応で『既存治療で効果不十分な場合に限る』という縛りがあるため、レミッチ単剤投与ではレセプトで切られる可能性がある。

まとめ


勉強会中、MRがやたらと「薬価がこんなに高くなるとは…」と嘆いていた。どうも高薬価がネックで、なかなか使ってもらえないらしい。ただ、使用している医療機関では効果は上々とのこと。κ受容体作動薬という全く新しい作用機序であるため、既存治療で効果が上がらない患者にとっては救世主になる可能性十分。
でも一包化不可ってなぁー。透析患者には「透析日」とか「非透析日」とかがあるから、ほとんどの患者は一包化してる中で、このレミッチだけPTPっていうのはどうなのかな?コンプライアンス低下につながらなければいいんだけど。